あなたのサイトのユーザー数を1人から100万人に増やす10の方法(Kevin Rose)
元記事:あなたのサイトのユーザー数を1人から100万人に増やす10の方法(Kevin Rose)
Digg,WeFollow,Revision3,Pownceを作ったKevin Roseによる2009年のロンドンでの講演。
原題は「Taking your Site from One to One Million Users by Kevin Rose」。
動画はこちら。20分弱の講演の後、質疑応答があります。
1.Ego
・新しい機能は、ユーザーの自尊心を高め、エゴ(自尊心・うぬぼれ)を駆り立てるものか?
→UGC(User Generated Contents)を持っている場合や、ユーザーに他者を助けるなど、何かしらの
タスクをやってもらいたい時には特に大事。
・仮にユーザーが何らかの形で協力してくれている場合、どんな感情的なリワード(報酬)を
(目に見える形で)彼らは受け取るのだろうか?
→例えば、ユーザーが他者に評価されることなどは、目に見える形のリワードである。
バッジを上げたり、彼らが集めたものを見せるショーケースなどを作ってあげることもよい。
例として、Twitterを考えてみよう。最も驚かされる機能は、Follower(フォロアー)だ。
ありとあらゆる有名人を、Twitterのスポークスパーソンとして利用している。
このように有名人が一セントも払うことなくサービスのスポークスパーソンになってくれるような仕組みは、
人類史上初めてのものではないかと私は思う。
フォロアーという仕組みは、なぜうまく働くのだろうか?
Twitterは、一方通行のプラットフォームで、期待値はゼロ、そして誰に対してもアプローチできる。
友達承認や非承認など双方向のやり取りが必要ない。非常に気楽に誰かをフォローできる。
フォロアーの人数は、ソーシャルネットワーク上での価値とも置き換えられる。
有名人は、フォロアーの数は多ければ多いほどよいと心の中で思っているため、彼らにとっても
フォロアーの人数を増やすことに意味がある。
フォロアーの人数の増大は(スパマーも含めて)恐らく間違った印象を第三者に与える(与えられる)。
・Digg Leaderboard
誰が今ホットなのか、競争相手が誰なのかをランキングのようにして可視化する。
ストーリーを登録するという事に対してユーザーを競争させ、システムによりコミットさせる。
優秀なユーザーには(他者が分かるような)バッジを与えたりすることでユーザーを満足させている。
2.Simplicity
・機能を作りすぎることをやめること。
・2−3の優秀な機能に集中すること。
・何か取り除ける機能が無いか、常に考えること。たとえトップページでさえも。
3.Build & Release
・ユーザーを理解した、とは考えないこと。
・ユーザーがサイトでどのように行動したかから学び、自分の想像からは学ばない。
・何を作るかを決め、そしてそれを作る。(無能な分析を避ける)
・作って、リリースして、反復して、繰り返す
4.Hack The Press
・(2つの項目が不明)
・Techcrunchのような大きな媒体と話そうとせずに、個人のブロガーと話す。
・行けそうもないパーティーに背伸びをして行ってみる。繋がりたい人は事前に調べておき、
サービスのデモを片手に持って、30−60秒のピッチを行い連絡先を獲得する。
5.Connect w/your community
・ポッドキャストを始めて自分が何をやっているかを伝える、全ての人が聞いていなくてもよい。
・ローンチパーティーを開き、四半期・年ごとにイベントを開く。プレスやインフルエンサー、
彼らの友達も個人的に招待する。何よりも、安くやる方法を考える。
・自分の所属しているコミュニティーでアクティブに活動する。
6.Advisor
・どんな技術的な問題を抱えることになるか?解決策を提示でき、かつお金を要求しない優秀な人を探す。
・技術的な人に限らず、マーケティングや雇用やビジネス開発などに優れた人物を探す。
・地位ではなく株の譲渡を代償とする事によって、ドバイザーはファンドからの資金調達も助けてくれる。
7.Leverage your userbase to spread the world
・フェイスブックでFarmVilleというゲームがあるが、例えば私が受け取った興味深いメッセージには、
友達とその他二人が、私の農場で何かアクティビティをして助けてくれたという事が書いてあった。
また、そのメッセージには、「ここをクリックして返信して」と書いてある。
私は、彼らに借りを作ったことになる。FarmVilleに行ってお礼をしなきゃ。
(これは狂っているが)、人を呼び戻すには非常によくできたシステムである。
みんなが欲しがる黒い羊というアイテムが出てきたり、非常によくゲームデザインがされている。
ユーザーがツイートしたくなるようなメッセージを入れた文を作ることにより、90%もの人に
ツイートを促すことが出来るようになる。
・Wefollowのユーザーを増やすために、ランディングページにポップアップを置いた。そのボードに、
他に何人のユーザーが登録しているかを表示して安心感を与える。
8.Does your product provide value for 3rd party sites?
・例えば、フェイスブックのシェアボタンは、それを設置する側(第三者)にも記事を拡散できるという
メリットがあるため、置いてもらう事が出来る。そのような第三者への価値を提供できているか。
9.Analyze your traffic
・測定ツールを入れ、入口・導線・離脱ページを確認する。
10.The entire picture
・ユーザー → 品質高いコンテンツを作り出す → トラフィックを生む →
第三者がボタンを置く価値が生まれる → ユーザー → ・・・というサイクルのように、
確固たるサイクルを生み出す。
[by spoly]
現在では例えばゲーミフィケーションという言葉でコンセプト化されているものもあるが、
何によって人を引き付け、サービスを広げていくのかという深い示唆に富んでいる講演。
特に、下記の三点
・機能を作りすぎずに優秀な機能にフォーカスする
・今では当たり前になっているTwitterの広がりの背景にある考え方
・自社のサービスが第三者に価値を提供しているか
が自分としては印象に残った。
この動画は、主要スタートアップのビジネスモデル類型化と、100万人突破のタイミングを分析する
の末尾にあったリンクより知った。斉藤徹さん、ありがとうございます。